技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問13

1-1-13 ジョブローテーションに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

①長期雇用を前提とする正職員よりも有期雇用の職員に対しての適用性が高い。

→不適切 有期雇用職員は在任期間が比較的短いため、適用性が高いと言えない。


②職員の適性を重視して異動先を決めるシステムであるため、異動先の部署は適材適所の人材を得ることができる。

→不適切 適材適所を発見するシステムであるため、異動してから適材適所がっ決まる流れである。


③特定分野の専門家などの、スペシャリストを育成するために適している。

→不適切 どちらかといえばゼネラリストの育成に適している。


④職務給制度を採用する企業においては導入が容易である。

→不適切 職務給制度とは、従業員の従事する仕事内容に応じて給料などの対価 を決定する制度であり、どちらかといえばジョブ型である。ジョブローテーションはメンバーシップ型が適している。


⑤職員の、組織全体の業務に対する理解促進、環境変化への適応力向上などの効果が期待できる。

→適切 定期的な異動により、業務全体を多角的に見ることができ、環境変化への適応力向上が期待できる。

技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問12

1-1-12 企業経営におけるダイバーシティ・マネジメントとは、性別、人種、雇用形態などが異なる多様な人材を適材適所で活用することとされている。ダイバーシティ・マネジメントに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

①ダイバーシティ・マネジメントは企業内の差別の解消や人権の確立と密接な関係がある。

→適切 「多様性」を重視するため、差別の解消や人権の確立につながる。例えば某企業では、元ニートやフリーターを採用している事例があるし、女性の管理職を増やし育児休暇復職しやすい環境を構築している事例もある。


②ダイバーシティ・マネジメントの推進に当たっては、売上高等の業績に関する指標や生産性に関する指標などと連関させることは避けるべきである。

→不適切 業績につなげることで企業価値を高めることができる。例えば総労働時間の削減 といった指標に直結することができる。


③ダイバーシティ・マネジメントは、労働力の量的な確保だけでなく質的確保という面からも重要である。

→適切 「多様性」な人材は「質的確保」にもつながる。


④ワークライフバランスを重視し働き方改革を進めることは、ダイバーシティ・マネジメントを推進する上で重要な施策である。

→適切 育児休暇や、フレックスタイム制などが良い例である。育児休暇の復職率も高くなる。


⑤人材の多様化により個人の評価を丁寧に行うことが必要となり、人材のきめ細かい評価と効果的な活用が行われることにつながる。

→適切 多様な人材に合ったきめ細かな評価が必要である。

技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問11

1-1-11 いわゆる障害者雇用促進法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

①事業主は、労働者の募集及び採用について、障害者に対して障害者でない者と均等な機会を与えなければならないとされており、障害者のみを対象とした求人は差別に当たる。

→不適切 「障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮に関する Q&A」 A3-1-4より、障害者のみを対象とする求人(いわゆる障害者専用求人)は、障害者を有利に取り扱うものであり、禁止される差別に該当しない。


②雇用の義務や障害者雇用納付金制度の対象となる障害者とは、身体障害者、知的障害者、精神障害者(精神障害者保険福祉手帳の交付を受けている者に限る。)をいう。

→適切 ここでいう障害者とは、身体障害、知的障害、精神障害者をいい障害者雇用率制度の上では、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所有者を実雇用率の算定対象としている。(厚生労働省 障害者雇用のルールより)


③障害者雇用納付金制度では、民間企業に対して、常用雇用労働者数にかかわらず、法定雇用率未達成の企業から納付金を徴収し、法定雇用率を超えて雇用を行っている企業には調整金を支給している。

→不適切 法定雇用率を未達成の企業のうち、常用労働者100人超の企業から、障害者雇用納付金が徴収される。(厚生労働省 障害者雇用のルールより)


④国及び地方公共団体は、障害者雇用率について法令の定めはないが、障害者の採用に関する計画を作成しなければならない。

→不適切 国、地方公共団体も障害者雇用率が定められている。

(参考:国:2.5% 地方公共団体:2.4% 民間2.2%)

今後、率の引き上げもあるため注意が必要である。


⑤障害者雇用率に関する労働者の算定に当たっては、パート、アルバイトは、常用雇用する労働者の総数に含まれない。

→不適切 計算式の「常用労働者」は1週間の労働時間が30時間以上の者を指し、パート、アルバイトもこの条件に当てはまれば総数に含まれる。

技術士総合技術監理部門2020択一問題 問10解説

1-1-10 労働者(高度プロフェッショナル制度適用者、研究開発業務従事者を除く)のメンタルヘルスケアやストレスチェックに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

①衛生委員会の設置が義務付けられている事業場においては、労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立について、衛生委員会が調査審議を行う。

→適切 労働安全衛生法において、衛生委員会の調査審議事項に「労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関すること」が定められている。


②産業医の選任が義務付けられていない事業場においては、労働者へのストレスチェックは努力義務である。

→適切 労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアルによると、ストレスチェック制度は当分の間、努力義務とされていますが、労働者のメンタルヘルス不調の未然防止のため、できるだけ実施することが望ましいこととされている。


③事業者は、法定労働時間を超えて労働した時間が月80時間を超えた労働者に対して、その超えた時間に関する情報を当該労働者に通知しなければならない。

→適切 平成31年4月の労働安全衛生法改正により、長時間労働者(1月当たり80時間超)に対し、労働時間の状況に関する情報を通知することを事業者に義務付けられている(則第52の2条)


④高ストレス者を選定するための選定基準は、医師等のストレスチェック実施者の意見等を踏まえ事業者が決定する。

→適切 ストレスチェック制度関係 Q&A により、選定基準については、各事業場の衛生委員会等で調査審議した上で決定する(Q4-2)

⑤事業者は、ストレスチェックでは面接指導対象者として選定されなかった労働者に対しても、面接指導の申出に応じる義務がある。

→不適切 そのような規定はない。

技術士総合技術監理部門2020択一問題 問9 解説

1-1-9 高齢化社会の進展に伴い、関係法令が整備されてきた。いわゆる男女雇用機会均等法,高齢者雇用安定法等の諸法令に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

①事業主が、厚生年金の支給年齢の男女差と整合を図ることを理由として、男女で異なる定年を定めることは法令で禁じられている。

→正解 男女雇用機会均等法第六条の四で定められている。

「事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。→ 退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新」


②65歳以上の労働者は雇用保険の加入対象とならない。
→不正解 雇用保険法改正により、平成29年1月1日より、こうした年齢制限は撤廃され、満65歳以上でも新規で雇用保険に加入することができるようになった。

③定年の定めを廃止した事業主は、定められた方法により年齢制限の理由を明らかにした場合に、65歳以下であることを条件として労働者の募集及び採用を行うことができる。
→不正解 雇用対策法が改正され、平成19年10月から、事業主は労働者の募集及び採用について、年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならないこととされ、年齢制限の禁止が義務化されている。

④継続雇用制度を導入している事業主は、定年退職者の希望に合致した条件で雇用を行う義務がある。
→不正解 高年齢者雇用安定法が求めているのは、継続雇用制度の導入であって、事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではない

⑤継続雇用制度を導入している事業主は、継続雇用制度で雇用を希望する定年退職者を自己の子法人等に引き継いで雇用させてはならない。

→不正解 高齢者雇用安定法Q&A 5-6において、継続雇用先の範囲を拡大する特例を利用する場合に、継続雇用制度の対象者を自社で雇用するか他社で雇用させるかについては、継続雇用制度を運用する中で事業主が判断することができます。このとき、継続雇用制度の対象者を自社で雇用するか他社で雇用させるかを判断するための基準を事業主は就業規則や労使協定等で設けることもできるとされている。

HACCP(危険分析重要管理点)プロセス語呂合わせ 技術士総合技術監理部門

 HACCP(ハソップ)とは、1960年代にアメリカで宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の管理方法であり、食品の製造・出荷の工程で、どの段階で微生物や異物混入が起きやすいかという危害をあらかじめ予測・分析して、被害を未然に防ぐ方法です。

 2020総監新キーワードですが、2020年の択一には出ませんでした。

 ですが、口頭試験などで、「あなたが食品メーカーだったら総合技術監理部門の技術士としてどう考えますか?」などといった質問などに使えるかもしれません。

 食品の安全性問題は、近年よく発生しており、2021年度の択一にも出るかもしれませんので、プロセスの順番を覚えておきましょう

 

語呂合わせ

「機銃管理も会見期」

機 危害要因の分析

銃 重要管理点の決定

管理 管理基準の設定

も モニタリング方法の設定

会 改善措置の設定

見 検証方法の設定

期 記録保存の設定

機銃の調子はどうですか? そろそろ記者会見の時期です、という意

 これなら、覚えやすいと思います。語呂合わせシリーズ、また書きたいと思います。

総合技術監理部門論文(社会環境管理)の書き方

2020年9月21日、技術士(総合技術監理部門)を受験してきた。

この時、何点か変更点があった。

1.他の部門の技術士が見てもわかりやすいように工夫すること

 これは、採点者が不足しているからだろうか。しかし総合技術監理部門は専門知識は求められないため、一般的な文章で書くスキルは必要だ。専門知識に偏りがちな人にはちょうどいい注意事項だ。

2.問題用紙に余白ができた。

 これは、再現論文を起こしたり、骨子を作成する上で十分なスペースが無いというクレームがあったかららしい。A43枚程度の紙が追加されて、再現論文作成には大変ありがたい。

3.問題文も3枚になった。

 上記に伴い、問題用紙も3枚に増えていた。気のせいか読みづらく、全てを読み切るのは困難な気がした。

社会環境管理的な文章の書き方

 環境部門や、工事現場、製造会社などに勤務していない、いわゆる「デスクワーク型」の技術士にとっては、社会環境管理で書くのは困難だ。しかし書けないことも無いので一例を紹介する。

1.社会環境への負荷は発生しないと考えられる。

 本当に何もないときは、この一文でもあれば、5つの管理を理解していると捉えてもらえるだろう。論文のテーマに対し5つ書くのは困難なため、どうしても社会環境管理が使えないときの一文だ。

2.ISO14001/エコアクション21の認証を受ける

 これは総監キーワードですね。中小企業勤務の場合はエコアクション21を書くことが出来るでしょう。会社の経営者の立場となって考えましょう。総監の究極の目的は「組織の存続」です。

3.環境会計の実施、環境報告書への記載

 これも総監キーワードの一つです。何か環境負荷低減施策を行い、それを「見える化」し、環境報告書を通じて国民や他企業へPRする活動をすることで、組織の存続につながります。

4.環境ラベルのついた商品の使用

 1.で何もない、と思った方におすすめ。これも総監キーワードです。エコマークやグリーンマークをはじめとした環境ラベル付きの商品を職場でも使用しているのではないでしょうか?

5.バイオマスプラスチック製品の使用

  「バイオマスプラスチック」は総監キーワードには無いが、「海洋プラスチック問題」がキーワードである。つまり、生物由来のプラスチックを使用することで微生物により分解され、海洋プラスチック問題を組織として解決していく、という考え方だ。2020筆記試験は終わりましたが、口頭試験でも使えるネタなので、是非頭の片隅に入れてほしい。

6.バイオマスエネルギーの使用

 こちらもキーワードには無いが、例えば草刈や伐採木、ふんなどをバイオマスエネルギーとして活用することを 3.の環境報告書などでPRすることで組織の存続を図ることができる。

 以上のように、デスクワーク型でも書けるネタはそれなりにあることを意識しておこう。

技術士総合技術監理部門 択一振り返り

さて、技術士総合技術監理部門の択一正答が公開されました。

今年は、「この答え違うんじゃないの?」というのはほとんど無く

無難に終わったと思います。

振り返りのために、私がよく観ていたyoutubeを貼ります。

こちらの方は、ボランティアでやっているようで、特徴としてyoutube特有の

「広告」が一切出ません! チャンネル登録すると非常に便利です!

え?私はyoutubeやらないのかって?

ノウハウがないので、そのうち・・・。

技術士 総合技術監理部門とは?

技術士の21番目の部門に「総合技術監理部門」というものがある。

一体これは何なのか?

最初「総合」であるから、すべての技術が使える「大賢者」みたいなジョブを想像してしまったが、意外と間違いではない。

過去に出版されていた総合技術監理部門の体系「通称:青本」曰く

「科学技術の高度化、複雑化・・・云々」と書いてあるが、最初読んだ人はさっぱり理解できないだろう。

 わかりやすくいうと「技術士」を使う「技術士」と考えればいい。

総合技術監理部門の技術士は

「経済性管理」「人的資源管理」「情報管理」「安全管理」「社会環境管理」の5つの管理から、最適化を図る技術士なのだ。例えば建設の技術士が、電気の技術士という人的資源で問題点を解決できてしまったりする・・ことも一つの例だ。

〇論文の違い

技術士部門特徴
一般部門専門知識、コンピテンシーが求められる。
総合技術監理部門総監キーワードを基に、5つの管理を駆使した、
誰でも読める論文が求められる。
(逆に専門知識を書いてしまうとNG)

もう、スポーツで例えるなら、野球とゴルフくらい違う、ものと考えたほうがいいだろう。

〇総合技術監理部門のメリット

ぶっちゃけ言うと、「無い」です。

単に「名刺にハクがつく」「名刺が二階建てになる」「同じ技術士でも一歩先を行く」程度ですが、限られた地球のリソースをいかに有効利用するか、という視点を考えると、総合技術監理の知識は、決して無駄ではありません。持続的可能な社会「SDGs」に貢献できる技術者となれるでしょう。

技術士一般部門を取られた方は、是非挑戦していただきたい。

ちなみに、私も挑戦中です。

お勉強資料としては、意外なテキストがあるのでご紹介します。

5つの管理役立つテキスト
経済性管理QC検定3級、中小企業診断士テキスト ITパスポート試験
人的資源管理中小企業診断士テキスト ITパスポート試験
情報管理ITパスポート試験 情報通信白書
安全管理労働安全コンサルタント試験 技術士一次試験テキスト
社会環境管理eco検定 環境白書

 さて、意外に共通するのが「ITパスポート試験」だ。こちらは、新入社員向けの資格だが、総監キーワードがふんだんに使われている。受験料も安いので、前哨戦に一度受験してみてはいかがだろうか。(余計な知識も多いが)

 総監キーワードについては、また後日お話することとしよう。