技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問7

Ⅰ-1-7 財務諸表に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、ここでのキャッシュ・フロー計算書は間接法によるものとする。

① 損益計算書には、前期末から当期末までの期間において、銀行からの借入やその返済など、資産。負債を直接増減させる個別の取引が記載される。

② 貸借対照表には、前期末から当期末までの期間において、会社の現金の出入りに係わる個別の取引が記載される。

③ キャッシュ・フロー計算書には、前期末から当期末までの期間における収益・費用と資産・負債などの期末残高が記載される。

④ 減価償却費は、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローにおいて、利益に加え戻されて記載される。

⑤ フリー・キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の投資活動によるキャッシュ・フローに財務活動によるキャッシュ・フローを加えたものである。

【正解④】

【解説】キャッシュ・フロー計算書の間接法における「減価償却費等の非資金費用を営業キャッシュ・フローの計算において加算する」ことは理解しにくいため,様々なサイトに解説が多くある。

①誤:損益計算書は,企業が1年間でどれだけ売り上げを出し,結果としてどれだけ利益(または損失)を上げたのかを見るものである。期首から期末の期間における数値を集計したものであり,個別の取引は記載されない。記述は誤り。

②誤:貸借対照表は,ある一定時点(通常は決算日)における資産,負債,資本の財政状態を表す。組織の健全性を分析する基礎資料になる。資産には現金以外の流動資産(手形,売掛金,有価証券,商品など)や固定資産(土地,建物,機械装置など)を含む。そのため,現金に限定しないこと及び個別の取引は記載されない点が誤りである。

③誤:キャッシュ・フロー計算書は,企業の活動を3つに分けて,1年間でどのようなお金の流れがあったかを見るものである。名前の通り,キャッシュ(現金)の流れを表すものであるため,キャッシュ・フロー計算書の最終的な数字は,現金及び現金同等物の期末残高であるから,収益・費用と資産・負債は記載されない。よって,記述は誤り。

④正:減価償却費は,長期にわたって使用する固定資産について,時間の経過に合わせて費用として計上する。減価償却費はキャッシュの取引を伴わないため,直接法では扱わない。間接法では損益計算書と貸借対照表から作成する際に,キャッシュの取引を伴わないのに,利益=売上-費用で計算すると費用のところに,減価償却費分が余計に差し引かれて差異が発生する。本来はキャッシュの額は減価償却費の分だけ多くなるため,営業キャッシュ・フローの利益に加えることで,キャッシュの差異を補正している。したがって,記述は正しい。

⑤誤:フリー・キャッシュ・フローは,事業継続に必要な支出を控除した後のフリーなキャッシュ・フローのことを言う。企業本来の営業活動から獲得したキャッシュ・フロー(営業キャッシュ・フロー)から事業維持のために投資に回したキャッシュ・フローを差し引いたものである。フリー・キャッシュ・フロー=営業キャッシュ・フロー-投資キャッシュ・フロー   

技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問5

Ⅰ-1-5 サプライチェーンの途絶リスクに対しては、一般に、途絶時の影響を検証し、投入コストと効果を考慮した日ごろの取組など、平常時の競争力と非常時のリスク対応の両立が求められる。 災害などの発生後、サプライヤからセットメーカに至るサプライチェーンの途絶に関して、そのロバストネスやレジリエンスの度合いを高め、 リスクの低減に寄与する事前方策として、次の記述のうち、最もそぐわないものはどれか。

① セットメーカによるすべてのサプライヤの情報の一元的把握

② サプライヤとセットメーカの協働による調達リードタイム・発注間隔の短縮

③ 利用可能な複数サプライヤによる代替供給体制の構築

④ サプライヤの工場に対するセットメーカによる支援体制の構築

⑤ セットメーカで使用する部品の共通化・標準化の推進

【正解②】

【解説】サプライチェーンの途絶に関するリスクの低減に寄与する事前方策として適していないものを選ぶ問題である。

①正:情報の一次元的把握により、サプライチェーン上の弱い部分などの影響を受けるところを把握できる。

②誤:調達リードタイムや発注間隔の短縮は、調達リスクの低減ではないため、記述は誤り。

③正:代替供給によって、冗長性の強化が図れるため、記述は正しい。

④正:支援体制の構築により、頑強性が向上するため、記述は正しい。

⑤正:部品の共通化・標準化により、調達リスクの低減が図れるため、記述は正しい。

技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問32

1-1-32 平成19年2月の小型ガス湯沸器に係る死亡事故等を背景として、消費生活用製品安全法に基づく長期使用製品安全点検制度が設けられた。本制度は、「特定保守製品 (9品目が定められている。)を購入した所有者が所有者登録することで、 メーカー等か らの点検時期の通知によって点検を受け、 経年劣化による製品事故を未然に防止するための制度である。次の機器(ただし、 家庭用として一般に市販されているものとする。)のうち、「特定保守製品」として最も適切なものはどれか。

①ビルトイン式の電気食器洗機

②ガスで沸かした温水を利用するタイプの浴室用乾燥機

③屋外式のガス用瞬間湯沸器

④ 屋内空気を使って燃焼する開放式の石油温風暖房機

⑤ スチーム式の加湿器

【正解①】

【解説】 経済産業省HPより

① 適切 下表に該当する。

② 不適切 ガスではなく電気である。

③ 不適切 屋外式ではなく、屋内式である。

④ 不適切 屋内ではなく、FF式である。

⑤ 不適切 加湿器はない

技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問31

1-1-31 安全文化という考え方についての次の記述のうち、最も不適切なものはどれか?

①安全文化という考えは、チェルノブイリ原発事故の原因調査をきっかけとして生まれたものであり、当時の原子力安全の考え方や意識そのものへの問題提起であった。

②組織においては、自己のエラーやミスを自ら報告することは難しいので、厳格な検査や監査による他者の指摘を重視する繁囲気を熟成する必要がある。

③組織においては、緊急時にトップの判断が常に正しいとは限らないので、一時的に専門家に権限委譲するといった柔軟性も必要である。

④ 粗織においては,改善すペきことを正しく認識し,改革を実行していくための意思と能力を持つ必要がある。

⑤ 組織においては、 公正さを保つため, 許容できる行動と許容できない行動を線引きし、皆が合意する必要がある。

【正解②】

【解説】

① 適切「安全文化(セイフティカルチャー)」という考え方は、1986年に発生したチェルノブイリ事故の原因の調査と検討の結果をきっかけとして生まれた。 国際原子力安全諮問グループINSAGの報告書では、 「安全文化とは、『原子力施設の安全性の問題が、すべてに優先するものとして、その重要性にふさわしい注意が払われること』が実現されている組織・個人における姿勢・特性(ありよう)を集約したもの。」としている。

② 不適切 ネガティブな情報なども報連相が気軽にできる職場文化を築く必要がある。

③ 適切 専門家などで構成された「調査委員会」などの例がある。

④ 適切 PDCAサイクルのことである。

⑤ 適切 ALARPの原則のことである。リスクは合理的に実行可能な最低の水準まで低減しなければならないという概念(製品設計知識 田口技術士事務所HPより)

技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問30

1-1-30 リスク認知におけるバイアスの種類とその説明である(ア)~(オ)の組合せとして、最も適切なものはどれか。

(ア) 極めてまれにしか起きないが被害規模が巨大な事象に対して、 そのリスクを過大視する傾向のことである。

(イ) ある範囲内であれば、異常な兆候があっても正常なものとみなしてしまう傾向のことである。

(ウ) 経験が豊富であることで、異常な兆候を過小に評価してしまう傾向のことである。

(エ) 経験したことのない事象について、そのリスクを過大若しくは過少に評価してしまい、合理的な判断ができない傾向のことである。

(オ) 異常事態をより明るい側面から見ようとする傾向のことである。   

 カタストロフィ バージン  正常性   楽観主義 ベテラン   

  バイアス  バイアス  バイアス  バイアス バイアス

①  (ア)    (ウ)   (イ)  (オ)  (エ)

②  (ウ)    (オ)   (イ)  (エ)  (ア)

③  (オ)    (ア)   (イ)  (ウ)  (エ)

④   (オ)    (ア)   (エ)  (ウ)  (イ)

⑤   (ア)    (エ)   (イ)  (オ)  (ウ)

【正解⑤】

【解説】 組み合わせのとおり、解説は省略する。

総監キーワード2021には この他「一貫性バイアス」が存在する。

一貫性バイアス

「ある人物の過去の態度や行動が、現在もほぼ変わらず近い状態であると思い込んでいることを一貫性バイアスと言います。言い換えると、ある人物の態度やスタンスが、将来においても一貫性があり不変だと思ってしまうことです。一貫性バイアスは、自分に対してではなく、他者に対して働く、観察者バイアスの一種です。」(錯視コレクションより)

技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問29

1-1-29リスクコミュニケーションに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

①地城社会において一般市民とともに潜在的な問願を掘り起こしてリスクのより適切なマネジメントにつなげていくことは、リスクコミュニケーションの目的の1つである。

②津波防災教育として、想定されている水域への思い込みなどが避難行動の障害とならないように、津波対処への主体的な姿勢を身につけることを促すことは、リスクコミケーションの取組の1つである。

③リスクコミュニケーションは、ステークホルダー間の異なる意見や価値観を一致させ、1つの結論を導き出すことを可能にするための手段と考えられる。

④技術士などの専門家が、難解な専用語を避け、データの意味や不確実性の程度、蓋然性の高いシナリオなどを伝える努力をすることは、リスクコミュニケーションの一環である。

⑤技術士などの専門家が媒介機能を担う場合、特定のステークホルダーの利害によらない科学的な根拠に基づいた独立性のある発信をすることが求められている。

【正解③】

【解説】

① 適切 厚生労働省「リスクコミュニケーション 6ページ」より、この定義は「リスクに関係する人々の間で、食品のリスクに関する情報や意見を相互に交換すること。」である。 (上記は食品であるが、同義である)

② 適切 厚生労働省「リスクコミュニケーション 9~10ページ」より「リスクの認知ギャップ」「思い込み」を除去することは、リスクコミュニケーションの取組の一つである。

③ 不適切 「リスクコミュニケーション 7ページ」より 「実際のリスク」と「人々が感じるリスク(認知リスク)」には差がある ため、 意見や価値観を一致させることではない。実際のリスクとのギャップを埋めることである。

④ 適切 「技術士コンピテンシー」「コミュニケーション」より 業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。

⑤ 適切 「技術士倫理綱領」(真実性の確保)より 技術士は、報告、説明又は発表を、客観的でかつ事実に基づいた情報を用いて行う。

技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問28

1-1-28 ある地域では、主要な電源が三系統あり、そのいずれかが稼働していれば停電を免れることができる。また、それとは別に、予備の緊急電源が2台準備されており、主要電源が三系統すべて稼働を止めた場合であっても、その際に起動要求を受ける緊急電源が2台とも稼働すれば停電を避けられる。主要電源の1つが稼働を止める確率はそれぞれpであり、緊急電源1つ当たりの起動要求時の故障確率はいずれもqである。それぞれの電源の稼働停止や故障などの事象は互いに独立であるとするとき、この地域で停電が発生する確率は、 次のうちどれか。

【正解④】

【解説】

故障率は、並列のため p×p×p×予備電源

予備電源は直列なので 1-(1-q)(1-q)

(参考) 「技術士一次試験 システム信頼度」

技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問26

1-1-26 労働者派遣事業と請負により行われる事業について、その区分や労働安全に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

① 労働者派遣事業と請負により行われる事業とでは、労働者の安全衛生の確保に関して、雇用主、派遣先事業主、注文主が負うべき責任が異なる。

② 元方事業者は、関係請負人に対して労働安全衛生法に基づく必要な指導を行うが、関係請負人の労働者へは指導してはならない。

③ 総括安全衛生管理者の選任に係る事業場の規模を算定するための労働者数に関して、派遣労働者は、派遣先あるいは派遣元のいずれか一方の事業者において算入される。

④ 派遣先事業者は、雇入れ時の安全衛生教育、一般健康診断の実施等の労働安全衛生法上の措置を講じなければならない。

⑤ 派遣元事業者は、派遣労働者が派遣先において一定の危険又は有害な業務に従事するときは、当該派遣労働者に対し、必要な特別教育を行わなければならない。

【正解①】

【解説】 厚生労働省「労働者派遣・請負を適正に行うガイド」より

① 適切 労働者派遣と請負とでは、労働者の安全衛生の確保、労働時間管理に関して、雇用主、派遣先、注文先が負うべき責任が異なっています。(ガイド1ページに記載)

② 不適切 労働安全衛生法第29条では、元請事業者が講ずべき措置として、関係請負人及び関係請負人の労働者が、労働安全衛生法令の規定に違反しないように必要な指導や指示を行うことが同法上の義務として定められています。これらの指導や指示は、安全確保のために必要なものであり、元請事業者から下請事業者の労働者に対して直接行われたとしても、業務の遂行に関する指示等には該当しません。(ガイド14ページ)

③ 不適切 総括安全衛生管理者 (安衛法第10条、安衛則第2条~第3条の2) 選任基準 製造業に属する派遣先は、派遣労働者を含め常時300人以上の労働者を使用する場合には、その事業場の安全衛生を統括管理する「総括安全衛生管理者」を選任し、所轄労働基準監督署長に選任報告を行うことが必要です

④ 不適切 一般健康診断は、派遣元事業者で行う(ガイド19ページ)

⑤ 不適切 有害な業務の安全教育等は、派遣先事業者で行う(ガイド19ページ)

技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問40

1-1-40 様々な組織の社会的責任と環境管理活動に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① IS0 26000は、企業だけでなく様々な組織の社会的責任に関する国際規格であり、我が国ではJIS化されている。

② エコアクション21 は、中小事業者にも取組みやすい環境マネジメントシステムとして策定されたものであり、近年、建設業者や食品関連事業者向けのガイドラインも公表されている。

③ トリプルボトムラインとは、企業の持続可能性についての考え方であり、企業活動を経済の観点のみならず環境と人的資源の観点からも評価しようとするものである。

④ ESG投資とは、環境、社会、企業統治に配慮している企業を重視・選別して行う投資のことをいい、国際連合が提唱した責任投資原則の基本となる考え方である。

⑤ 環境会計とは、企業等が、事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を認識し、可能な限り定量的に測定し伝達する仕組のことである。

【正解③】

【解説】

①正:IS0 26000は、国際標準化機構(ISO) が、企業を含むすべての組織の社会的責任(SR: Social Responsibility)の指針として策定したものである。この規格の日本版は、日本工業規格「JIS 26000」の形で原文とほぼ同じ内容で2012年に制定された。

②エコアクション21は、環境マネジメントシステム、環境パフォーマンス評価及び環境報告をひとつに統合したものであり、エコアクション21に取り組むことにより、中小事業者でも自主的・積極的な環境配慮に対する取組が展開でき、かつその取組結果を「環境活動レポート」として取りまとめて公表できるように工夫されている。エコアクション21認証・登録事業者と地域社会の持続可能な成長を一層支援することが求められたので、平成29年4月に「エコアクション21ガイドライン 2017年版」、平成30年4月には「エコアクション21ガイドライン 建設業者向けガイドライン2017年版」「エコアクション21ガイドライン 食品関連事業者向けガイドライン 2017年版」が公表された。

③誤:トリプルボトムラインとは、組織の活動パフォーマンスを評価するとき、経済的側面・環境的側面・社会的側面の3つの軸で評価をすることを指す。従って、「人的資源」が誤りで、「社会」が正解となる。

④正:環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮している企業を重視・選別して行う投資。ESGはそれぞれの英語の頭文字をあわせたことばである。国際連合が2006年、投資家がとるべき行動として責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)を打ち出し、ESGの観点から投資するよう提唱したため、欧米の機関投資家を中心に企業の投資価値を測る新しい評価項目として関心を集めるようになった。

⑤正:環境会計とは、企業等が、持続可能な発展を目指して、社会との良好な関係を保ちつつ、環境保全への取組を効率的かつ効果的に推進していくことを目的として、事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を認識し、可能な限り定量的(貨幣単位又は物量単位)に測定し伝達する仕組みである。

技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問39

1-1-39 環境影響評価法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

① 計画段階環境配慮書では、第一種事業に係る計画の立案段階において、環境の保全及び費用対効果の観点から配慮すべき事項を検討した結果をとりまとめることが義務付けられている。

② 環境影響評価方法書をもとにして、環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法などをとりまとめるための手続をスクリーニングという。

③ 環境影響評価準備書では、環境影響評価の結果のうち、環境影響評価の項目ごとの調査結果の概要並びに予測及び評価の結果とともに、環境の保全のための措置及び環境影響の総合的な評価についても記載することが義務付けられている。

④ 環境影響評価書は、環境影響評価準備書に対する国民、市町村長、都道府県知事及び環境大臣等からの意見を聴取した結果を踏まえて作成することが義務付けられている 。

⑤ 環境影響評価書に記載された全て(不確実性があるもの)の環境の保全のための措置については、事業実施後にその結果の報告が義務付けられている。

【正解③】

【解説】

①誤:計画段階環境配慮書とは、事業の早期段階における環境配慮を図るため、第一種事業を実施しようとする者が、事業の位置・規模等の計画の立案段階において、その事業の実施が想定される1又は2の区域(複数案)において、環境の保全について適正な配慮をするべき事項について検討を行い、その結果をまとめたものである。従って、費用対効果の観点は含まれていない。

②誤:スクリーニングは、開発事業について環境影響評価を行うかどうかを決める手続きである。スコーピングは、できる限り早い段階から環境配慮を行うとともに、的確な環境影響評価その他の手続きを行うため、対象事業に係る環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法等について環境影響評価方法書を作成し、この方法書を公告・縦覧により内容を公開し、住民の方々・専門家・行政等の外部の意見を聴取することによって、適切な項目及び手法を選定することである。

③正:環境影響評価準備書には、項目ごとに調査・予測・評価の結果を整理したもの、環境保全のための措置(複数案などの検討経過も含む)、事業着手後の調査、環境影響の総合的な評価などについて記載することが義務付けられている。

④誤:環境影響評価評価書とは、事業者が準備書に対する環境保全の見地からの意見を有する者、都道府県知事等からの意見の内容について検討し、必要に応じて準備書の内容を修正したものである。作成された評価書作成後の手続きは以下のとおりである。 1.評価書は、事業の免許等を行う者等と環境大臣に送付され、環境の保全の見地からの審査が行われる。 2.審査の結果、環境大臣は必要に応じて事業の免許等を行う者等に環境の保全の見地からの意見を述べる。免許等を行う者等が地方公共団体の場合については、必要に応じて環境大臣に助言を求めるように努めなければならないこととされている。 3.事業の免許等を行う者等は、環境大臣の意見を踏まえて環境の保全の見地から事業者に意見を述べる。 4.事業者は意見の内容をよく検討し、必要に応じて評価書の内容を補正した最終的な評価書を作成し、都道府県知事、市町村長、事業の免許等を行う者等に送付する。 以上から、環境大臣は準備書の段階では意見を述べないが、評価書の段階で意見を述べる

⑤誤:環境影響評価報告書に記載される範囲は、「回復することが困難であるためその保全が特に必要であると認められる環境に係るものであって、その効果が確実でないものとして環境省令で定めるものに限る」としており、すべての環境保全の措置を対象としているのではなく、保全が特に必要であると認める環境に係る措置であって、その環境保全措置の効果が確実でないものに限る、と限定して対象としている。