技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問6

Ⅰ-1-6 標準原価計算の原価差異分析では、標準原価から実際原価を差し引いた差が原価差異として計算分析され、その目的は原価の管理に資することにある。原価差異は、その正負により、それぞれ有利差異および不利差異と呼ばれる。参考のため、これらの原価差異分析でよく利用される分析概念図を下に示す。ここでは直接材料費と直接労務費を対象とした差異分析の例を取り上げる。

  製造企業のA社は、品目Xについて、次に示す標準原価を設定している。  

  a.標準直接材料費:標準単価は500円/kg、標準消費量は1,000kgである。

  b.標準直接労務費:標準賃率は1,000円/時間、標準作業時間は500時間である。実際に発生した原価として、次に示す数値が得られた。

  c.実際直接材料費:実際原価は450円/kg、実際消費量は1,100kgであった。

  d.実際直接労務費:実際賃率は1,200円/時間、実際作業時間は400時間であった。なお、差異分析に当たっては、a~dに述べた事項以外の条件は考えないものとする。直接材料費と直接労務費の原価差異分析に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 

①標準直接材料費および標準直接労務費は、いずれも500,000円である。

②数量差異は-50,000円(不利差異)である。            

③賃率差異は-80,000円(不利差異)である。            

④直接材料費の差異は5,000円(有利差異)である。          

⑤直接労務費の差異は-20,000円(不利差異)である。


 標準原価計算においては、標準原価と実際原価を比較し、標準原価の方が大きい場合(すなわち、「標準原価>実際原価」)における両者の差異を有利差異とし、標準原価の方が小さい場合(すなわち、「標準原価<実際原価」)における両者の差異を不利差異とします。 

 この考え方を前提として、以下それぞれの選択肢について解説します。


①標準直接材料費および標準直接労務費は、いずれも500,000円である。

→適切 標準直接材料費は、

 500円/㎏×1,000㎏=500,000円となります。

一方、標準直接労務費は、1,000円/時間×500時間=500,000円となります。

従って、この選択肢は正しいことになります。


②数量差異は-50,000円(不利差異)である。

→適切 数量差異は、以下の計算式で算出します。

(標準消費量ー実際消費量)×標準価格

これを今回の問題に当てはめると、

(1,000㎏-1,100㎏)×500円/㎏=-50,000円(不利差異)となります。

従って、この選択肢も正しいことになります。


③賃率差異は-80,000円(不利差異)である。

→適切 賃率差異は、以下の計算式で算出します。

(標準賃率ー実際賃率)×実際作業時間

これを今回の問題に当てはめると、

(1,000円/時間-1,200円/時間)×400時間=-80,000円(不利差異)となります。

従って、この選択肢も正しいことになります。


④直接材料費の差異は5,000円(有利差異)である。

→適切 直接材料費の差異は、以下の計算式で算出します。

(標準直接材料費-実際直接材料費)

これを今回の問題に当てはめると、

(標準直接材料費:500円/㎏×1,000㎏)-(実際直接材料費:450円/㎏×1,100㎏)=5,000円(有利差異)となります。

従って、この選択肢も正しいことになります。


⑤直接労務費の差異は-20,000円(不利差異)である。

→最も不適切 直接労務費の差異は、以下の計算式で算出します。

(標準直接労務費-実際直接労務費)

これを今回の問題に当てはめると、

(標準直接労務費:1,0000円/時間×500時間)-(実際直接労務費:1,200円/時間×400時間)=20,000円(有利差異)となります。

従って、差額である20,000円を不利差異としている点で、この選択肢は誤りになります。

以上より、正解は⑤


 

どうなる!?技術士総監キーワード2021勝手に予想

 総監キーワード2020で新規追加されたキーワード、択一問題に意外と出ませんでしたね。。しかし、筆記試験を突破しても「口頭試験」が控えています。その時のためにも2020のキーワードはもちろん、2021で追加されるであろうキーワードも予測する必要があります。

 総監の口頭試験では「あなたが〇〇の立場だったらどう考えるか、5つの管理で言ってください」というのがよくあるらしいです(私は受けたことないのですが・・・)

とりあえず、新キーワードの予想です。

Society5.0

 ソサエティ5.0と読みます。これは2020の択一問題で出ましたね。

 サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)

 狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。(内閣府より)

バイオマスプラスチック

 再生可能なバイオマス資源を原料に、化学的または生物学的に合成することで得られるプラスチック。
 それを焼却処分した場合でも、バイオマスのもつカーボンニュートラル性から、大気中のCO2の濃度を上昇させないという特徴がある。これにより、地球温暖化の防止や化石資源への依存度低減にも貢献することが期待される(バイオプラスチック協会より)

 2020年新キーワードの、海洋プラスチック問題の解決策になりますね。しかし、おそらく高額なため、経済性管理とのトレードオフが考えられます。また、原料がトウモロコシ等の食品であるため、食料不足も懸念されますが、後述する食品ロスとの関係で考えることができそうです。

自動運転/超小型モビリティ

 自動運転の問題は2020に出題されましたね。新東名高速道路の隊列走行トラックを思い浮かべた人もいるのではないでしょうか

 「超小型モビリティ」

 超小型モビリティとは、自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる1人~2人乗り程度の車両をいいます。(国土交通省)

 環境にやさしい、がキーワードになりそうですね。また法定速度が60km/hに限定されるなど、「建設部門ー道路」のキーワードにもなりそうです。

航空法/電波法

 2020年も出題された「ドローン」に関するキーワードです。

 もう2回ほど出題されたので、そろそろ出ないかもしれませんが・・・。また、電波法(陸上特殊無線技士)の知識が求められるかもしれません。

国土交通省ポスターより

5G

 あらゆるモノが繋がるIoTの進展に伴い、その基盤となる通信ネットワークの重要性は飛躍的に増大する。画像や動画を始めとして大容量の情報が多数やりとりされるようになり、社会に存在するあらゆる機器が接続されることになればその数も膨大なものとなる。また、遠隔医療のように機器をネットワーク経由でタイムラグなくスムーズに操作することが求められる場面も増える。本格的なIoT時代を迎えるにあたり、こういった要請に応える通信システムが求められる。

 移動通信のシステムは、音声主体のアナログ通信である1Gから始まり、パケット通信に対応した2G、世界共通の方式となった3Gを経て、現在ではLTE-Advanced等の4Gまでが実用化されている。これに続く次世代のネットワークとして注目されているのが5G、即ち第5世代移動通信システムである。

 5Gは2020年の実現を目指し、世界各国で取組が進められている。グローバルの携帯電話事業者による業界団体GSMAによれば、2020年以降世界の5G回線数は、約5年で11億回線、世界人口に対するカバー率は約3割に達すると予測している(平成30年版 情報通信白書 より)

グリーンボンド

 企業や地方自治体等が、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券をグリーンボンドと呼びます。

  1. 調達資金の使途がグリーンプロジェクトに限定される。
  2. 調達資金が確実に追跡管理される。
  3. それらについて発行後のレポーティングを通じ透明性が確保される。

(グリーンボンド発行促進フォーラムより)

ちょっとわかりにくいですが、「ESG投資」と関連しそうですね。

ソーシャルビジネス

 地域社会においては、環境保護、高齢者・障がい者の介護・福祉から、子育て支援、まちづくり、観光等に至るまで、多種多様な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて、住民、NPO、企業など、様々な主体が協力しながらビジネスの手法を活用して取り組むのが、ソーシャルビジネスです。(経済産業省より)

 高齢者、障がい者関連のキーワードが出た今、注目されるキーワードと考えます。

指定感染症

 言わずと知れた新型コロナウィルス関連です。

しかし、法律としてみるとややこしいみたいです。

厚生労働省より

 指定感染症は第1類~5類に分けられていますが、新型コロナは現時点で1類~5類のどこかに位置づけるというものではない、ようです。ちょっと問題が作りにくいかもしれませんね。

食品ロス

「食品ロスの削減の推進に関する法律」(略称 食品ロス削減推進法)が、令和元年5月31日に令和元年法律第19号として公布され、令和元年10月1日に施行されました。

・世界には栄養不足の状態にある人々が多数存在する中で、とりわけ、大量の食料を輸入し、食料の多くを輸入
に依存している我が国として、真摯に取り組むべき課題であることを明示
・食品ロスを削減していくための基本的な視点として、①国民各層がそれぞれの立場において主体的にこの課題に取り組み、社会全体として対応していくよう、食べ物を無駄にしない意識の醸成とその定着を図っていくこと、②まだ食べることができる食品については、廃棄することなく、できるだけ食品として活用するようにしていくことを明記


→多様な主体が連携し、国民運動として食品ロスの削減を推進するため、本法を制定する旨を宣言(食品ロスの削減の推進に関する法律の概要)より

 まさに社会的問題で、前述した、バイオプラスチックとの関わりと連携させる考え方もありますね。農業部門でも出題されるかもしれません。

おわりに

 いかがでしたでしょうか?(引用文ばかりですが)総監キーワードは考えればキリが無いのですが、日々の新しい出来事や社会的問題の法律やルールを知る、という習慣が必要ですね・・・。

技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問2

1-1-2 5つの投資先A~Eの中から1つを選択して投資することを考える。各投資先の、ある金額を投資した場合に投資後4年間にわたって見込まれる利益が下表のとおりであるとき、4年間に見込まれる利益の現在価値の合計が最も高い投資先はどれか。ただし、割引率( 年利率) は3%とし、利益はいずれも年末に得られるものとする。

① 投資先A  ② 投資先B  ③ 投資先C  ④ 投資先D  ⑤ 投資先E

DCF法の計算である。下記に簡易な計算式を示す。

計算結果を以下の表に示す。

以上より、最も投資効果が高いのはA 答え① である。

TOC 制約条件の理論

 総監キーワードである「TOC」とは、Theory Of Constraintsの略で、SCM(サプライチェーンマネジメント)を最適化する手法で、全体としてキャッシュフローを生み出すことを目的に、工程のボトルネックとなる工程に注目しスループットを最大化するための考え方をいいます。

簡単な覚え方

 つまり、工程のボトルネックを取り除くこというわけで、

 「ボトルネックをとっちゃう」

  ↓

 「ボトルネックをTOCゃう」

・・・ダジャレですが、こうすると覚えやすいと思います。

こうした覚え方、また公開したいと思います。

HACCP(危険分析重要管理点)プロセス語呂合わせ 技術士総合技術監理部門

 HACCP(ハソップ)とは、1960年代にアメリカで宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の管理方法であり、食品の製造・出荷の工程で、どの段階で微生物や異物混入が起きやすいかという危害をあらかじめ予測・分析して、被害を未然に防ぐ方法です。

 2020総監新キーワードですが、2020年の択一には出ませんでした。

 ですが、口頭試験などで、「あなたが食品メーカーだったら総合技術監理部門の技術士としてどう考えますか?」などといった質問などに使えるかもしれません。

 食品の安全性問題は、近年よく発生しており、2021年度の択一にも出るかもしれませんので、プロセスの順番を覚えておきましょう

 

語呂合わせ

「機銃管理も会見期」

機 危害要因の分析

銃 重要管理点の決定

管理 管理基準の設定

も モニタリング方法の設定

会 改善措置の設定

見 検証方法の設定

期 記録保存の設定

機銃の調子はどうですか? そろそろ記者会見の時期です、という意

 これなら、覚えやすいと思います。語呂合わせシリーズ、また書きたいと思います。