技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問31

1-1-31 安全文化という考え方についての次の記述のうち、最も不適切なものはどれか?

①安全文化という考えは、チェルノブイリ原発事故の原因調査をきっかけとして生まれたものであり、当時の原子力安全の考え方や意識そのものへの問題提起であった。

→適切。安全文化は1986年に発生したチェルノブイリ事故の原因の調査と検討の結果をきっかけとして生まれました。(電気事業連合会より)


②組織においては、自己のエラーやミスを自ら報告することは難しいので、厳格な検査や監査による他者の指摘を重視する繁囲気を熟成する必要がある。

→最も不適切。組織においては、自分のミス、エラーなどを申告できる、雰囲気のよい環境づくりに努める必要があります。


③組織においては、緊急時にトップの判断が常に正しいとは限らないので、一時的に専門家に権限委譲するといった柔軟性も必要である。

→適切。そのためのスペシャリスト「技術士」です!!


④粗織においては,改善すペきことを正しく認識し,改革を実行していくための意思と能力を持つ必要がある。

→適切 安全文化は、PDCAサイクルを回す必要があります。


⑤組織においては、 公正さを保つため, 許容できる行動と許容できない行動を繰引きし、皆が合意する必要がある。

→適切。これは総監用語であるALARPの原則を意図していると思われます。

(ALARPの原則とはリスクは合理的に実行可能な限り出来るだけ低くしなければならないというものである。)

以上より正解は②

技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問27

1-1-27 技術の安全に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 定格出力が80wを超える産業用ロボッ トにおいては、労働安全衛生法で定められた危険性等の調査に基づく措置を実施し、危険のおそれが無くなったと評価できるときは、人との協働作業が可能である 。

⇒適切 労働安全衛生規則第150条の4において、「事業者は、産業用ロボットを運転する場合において、運転中の産業用ロボットに接触することにより労働者に危険が生ずるおそれのあるときは、さく又は囲いを設ける等当該危険を防止するために措置を講じなければならない」と規定されている。

 また、労働安全衛生規則では、労働者と産業用ロボットの協働作業は認められていない。ただし、定格出力80ワット以下は、規制対象外。(労働安全衛生法における産業用ロボット規制の概要より)

 しかし、労働者と産業用ロボットの協働作業における安全条件が、国際的にも議論され確立されつつあるため、労働安全衛生法における産業用ロボット規制に、当該安全条件を導入することを検討する動きもあり、今後の動きにも注視が必要です。


② 患者と一体となって運動する機能回復ロボッ卜の安全性については、国際標準が発行されたことから、我が国の先端医療技術の国際市場への導入促進が期待されている。

⇒適切 機能回復を行うためのロボットは世界各国で開発され、利用され始めています。しかしながら、患者と一体となって運動するロボット機器という特殊性があること、また、既存の複数の要求事項の解釈に幅があることから、世界各国の承認審査基準は整合していませんでした。今般、これを解決すべく、日本の提案により、機能回復ロボットの安全性に関する国際標準が発行されました。これにより、日本の先端医療技術の国際市場への導入促進が期待されます。(経済産業省ニュースリリース 2019年7月23日より)

機能回復ロボットの例(IEC 80601-2-78より)

 なお、同じ年に「手術ロボット」も国際標準が発行されています。来年も同様の問題が出るかもしれません。


③ AIによって多くの社会システムが自動化され安全性が向上する一方で、新たなリスクも生じることから、社会はAIのベネフィットとリスクのバランスに留意する必要がある。

⇒適切  AIで全て自動化するのではなく、人間によるキャリブレーションが必要であったり、人間が手を加えることも時には必要である


④ 遠隔型自動運転システムの公道実証実験において、一定の基準を満たす場合には、1名の遠隔監視・操作者が複数台の実験車両を走行させることができる 。

⇒適切 例えば、新東名高速道路などで実験されている「隊列走行トラック」がある。(運転手は先頭の1名のみ)

(写真:国土交通省より)
総務省チャンネルより

⑤ IoT機器では、サイバー攻撃を受けた場合にその影響が当該機器にとどまるため、他の関連するIoTシステムやIoTサービスへの波及を回避できる。

⇒不適切 IoT機器は、機器の性能が限定されている、管理が行き届きにくい、ライフサイクルが長いなど、サイバー攻撃に狙われやすい特徴を持っています。セキュリティ対策に不備があるIoT機器は、マルウェアに感染しサイバー攻撃に悪用されるおそれがあります。諸外国においては、IoT機器を悪用した大規模なサイバー攻撃(DDoS攻撃)によりインターネットに障害が生じるなど、深刻な被害が発生している。(総務省 脆弱なIoT機器及びマルウェアに感染しているIoT機器の利用者への注意喚起の実施状況 より)


以上より⑤が最も不適切である。

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技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問25

1-1-25 次のA~Dのシステム安全工学手法と、その特徴の説明である(ア)~(エ)の組合せとして、最も適切なものはどれか。

A:VTA

B:FTA

C:FMEA

D:ETA

(ア)作業がすべて通常どおりに進行していれば事故は起こらないとの考えの下で、通常から逸脱した操作や判断、その結果としての状態を時間軸に沿って分析する 。

(イ)頂上事象の発生に必要な条件と要因の因果関係を明らかにし、それをツリー状に展開して表現する。

(ウ)初期事象がいろいろな経路をたどり、最終的にどのような事象にまで進展するのかを明らかにする。

(エ)システムの構成要素ごとに固有の故障モードを同定し、それらの故障モードが発生したときのシステムに及ぼす影響を分析する。  

   A B C D

① エ イ ア ウ

② エ ウ ア イ

③ ウ ア イ エ

④ ア イ エ ウ

⑤ ア ウ エ イ

VTA バリエーションツリー分析

自己の進展における変化に着目し、FTAを基本としたツリーを用いて正常状態から逸脱を追跡する対策志向型の分析手法のことである。

FTA フォールトツリー分析

その発生が好ましくない事象(出力)を頂点に取り上げ、木の枝のようにしだいに源泉の方に図式に展開して、その発生源(入力)およびその発生経路を解析する方法である。すべての入力の発生確率が定量的に推定できる事象(基本事象という)まで分解できると定量的に出力を推定することができる。

FMEA 潜在的故障モード影響解析

重大事故を取り上げ原因となる問題を分析し、相互関係を明らかし、安全性に致命的な関係ある故障を識別する手法である。システムの相互関係の確認ができ、複数の人間による作成が可能であるが、ヒューマンファクターや環境条件を考慮しにくく、複数のエラーを検討するには適しない。

ETA イベントツリー分析

故障(入力)が発生したとして、時間の経過をたどり、どんな事象(出力)に発展するかを解析する図式解法である。各事象の発生確率が推定できると定量的な解析もできる。

以上より、答えは④である。

技術士総合技術監理部門 安全管理 危険物語呂合わせ

 総監キーワード2020に追加されました、危険物第1類~第6類 こちらは、2020択一には出ませんでしたが、2021年度以降も出題される可能性があります。危険物取扱責任者をお持ちの方なら覚えてるでしょうが、関わっていない方は覚えにくいと思います。

語呂合わせ

ちょっと長いですが、語呂合わせを作りました。

・危険物第1類~第6類

イーさん個体で(1酸化性固体)

2ケ年凝った(2可燃性固体)

3日で自然に(3自然発火性物質)

余韻にひたり(4引火性液体)

事故米ご飯で(5自己反応性物質)

無参加駅弁(6酸化性液体)

伊井さんが1人で2ケ年凝って作った駅弁大会の作品にうっとり。自然に

3日間自己満足の余韻にひたるが、事故米ご飯を使っていたことが判明。

駅弁大会に参加できなくなるという意味。

ちょっと長いですが、自分なりの覚え方もあると思います。

総監択一は広く深いので、常に研鑽し実力をつけましょう