技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問11

1-1-11 いわゆる障害者雇用促進法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

①事業主は、労働者の募集及び採用について、障害者に対して障害者でない者と均等な機会を与えなければならないとされており、障害者のみを対象とした求人は差別に当たる。

→不適切 「障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮に関する Q&A」 A3-1-4より、障害者のみを対象とする求人(いわゆる障害者専用求人)は、障害者を有利に取り扱うものであり、禁止される差別に該当しない。


②雇用の義務や障害者雇用納付金制度の対象となる障害者とは、身体障害者、知的障害者、精神障害者(精神障害者保険福祉手帳の交付を受けている者に限る。)をいう。

→適切 ここでいう障害者とは、身体障害、知的障害、精神障害者をいい障害者雇用率制度の上では、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所有者を実雇用率の算定対象としている。(厚生労働省 障害者雇用のルールより)


③障害者雇用納付金制度では、民間企業に対して、常用雇用労働者数にかかわらず、法定雇用率未達成の企業から納付金を徴収し、法定雇用率を超えて雇用を行っている企業には調整金を支給している。

→不適切 法定雇用率を未達成の企業のうち、常用労働者100人超の企業から、障害者雇用納付金が徴収される。(厚生労働省 障害者雇用のルールより)


④国及び地方公共団体は、障害者雇用率について法令の定めはないが、障害者の採用に関する計画を作成しなければならない。

→不適切 国、地方公共団体も障害者雇用率が定められている。

(参考:国:2.5% 地方公共団体:2.4% 民間2.2%)

今後、率の引き上げもあるため注意が必要である。


⑤障害者雇用率に関する労働者の算定に当たっては、パート、アルバイトは、常用雇用する労働者の総数に含まれない。

→不適切 計算式の「常用労働者」は1週間の労働時間が30時間以上の者を指し、パート、アルバイトもこの条件に当てはまれば総数に含まれる。

技術士総合技術監理部門2020択一問題 問10解説

1-1-10 労働者(高度プロフェッショナル制度適用者、研究開発業務従事者を除く)のメンタルヘルスケアやストレスチェックに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

①衛生委員会の設置が義務付けられている事業場においては、労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立について、衛生委員会が調査審議を行う。

→適切 労働安全衛生法において、衛生委員会の調査審議事項に「労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関すること」が定められている。


②産業医の選任が義務付けられていない事業場においては、労働者へのストレスチェックは努力義務である。

→適切 労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアルによると、ストレスチェック制度は当分の間、努力義務とされていますが、労働者のメンタルヘルス不調の未然防止のため、できるだけ実施することが望ましいこととされている。


③事業者は、法定労働時間を超えて労働した時間が月80時間を超えた労働者に対して、その超えた時間に関する情報を当該労働者に通知しなければならない。

→適切 平成31年4月の労働安全衛生法改正により、長時間労働者(1月当たり80時間超)に対し、労働時間の状況に関する情報を通知することを事業者に義務付けられている(則第52の2条)


④高ストレス者を選定するための選定基準は、医師等のストレスチェック実施者の意見等を踏まえ事業者が決定する。

→適切 ストレスチェック制度関係 Q&A により、選定基準については、各事業場の衛生委員会等で調査審議した上で決定する(Q4-2)

⑤事業者は、ストレスチェックでは面接指導対象者として選定されなかった労働者に対しても、面接指導の申出に応じる義務がある。

→不適切 そのような規定はない。

技術士総合技術監理部門2020択一問題 問9 解説

1-1-9 高齢化社会の進展に伴い、関係法令が整備されてきた。いわゆる男女雇用機会均等法,高齢者雇用安定法等の諸法令に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

①事業主が、厚生年金の支給年齢の男女差と整合を図ることを理由として、男女で異なる定年を定めることは法令で禁じられている。

→正解 男女雇用機会均等法第六条の四で定められている。

「事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。→ 退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新」


②65歳以上の労働者は雇用保険の加入対象とならない。
→不正解 雇用保険法改正により、平成29年1月1日より、こうした年齢制限は撤廃され、満65歳以上でも新規で雇用保険に加入することができるようになった。

③定年の定めを廃止した事業主は、定められた方法により年齢制限の理由を明らかにした場合に、65歳以下であることを条件として労働者の募集及び採用を行うことができる。
→不正解 雇用対策法が改正され、平成19年10月から、事業主は労働者の募集及び採用について、年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならないこととされ、年齢制限の禁止が義務化されている。

④継続雇用制度を導入している事業主は、定年退職者の希望に合致した条件で雇用を行う義務がある。
→不正解 高年齢者雇用安定法が求めているのは、継続雇用制度の導入であって、事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではない

⑤継続雇用制度を導入している事業主は、継続雇用制度で雇用を希望する定年退職者を自己の子法人等に引き継いで雇用させてはならない。

→不正解 高齢者雇用安定法Q&A 5-6において、継続雇用先の範囲を拡大する特例を利用する場合に、継続雇用制度の対象者を自社で雇用するか他社で雇用させるかについては、継続雇用制度を運用する中で事業主が判断することができます。このとき、継続雇用制度の対象者を自社で雇用するか他社で雇用させるかを判断するための基準を事業主は就業規則や労使協定等で設けることもできるとされている。