技術士総合技術監理部門2020択一問題解説 問4

Ⅰ-1-4 計画・管理における科学的・数理的手法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

① 線形計画問題は、一般に、変数が整数値をとることを条件として加えると解くことが容易になる。

② 多目的最適化では、通常、パレート最適解がただ1つ求まる。

③ ゲーム理論は、意思決定をする主体が複数存在する状況を数学的に取り扱う方法論であり、非協力ゲームと協力ゲームとに大きく分けることができる。

④ デルファイ法では、複数の参加者が、回覧されるシートに各自のアイデアを記入していくことで、1 人で考えながらも全員の協同作業でアイデアを広げていくことを目指す。

⑤ 階層化分析は、分析対象のすべてをいくつかの群に分ける手法であり、何らかの基準に従って似ているものが同じ群に入るように分類する。

【正解③】

【解説】科学的・数理的手法については,全てキーワードから出題されている。

①誤:線形計画法は,目的関数f(x),制約条件gi(x),hi(x)が全て一次関数である線形計画問題を解くための方法である。変数が整数である条件が追加された線形計画問題は,整数計画法であり,定式化できる対象は増加するが,解く事は難しくなるため,記述は誤り。

②誤:多目的最適化とは、トレードオフの関係にある複数の目的関数を同時に求める最適化法である。多目的最適化で得られる解は、一般にパレート解と呼ばれ、パレート最適解は一般に無限個存在する。よって、記述は誤り。そのため、意思決定者の選好により最良な妥協解を選択する必要がある。目的関数や制約条件に確率変数が入ることもあるが、適当な変形により非線形計画問題に帰着することができる。

③正:ゲーム理論とは,人々の動きや考え方をゲーム的に捉え、それぞれのプレイヤーの行動を分析したり、予想したりするための考え方である。複数の意思決定主体が存在する状況における意思決定の理論であり、ゲーム理論の基本的な考え方は、ある主体が意思決定をする際に、ほかの主体が自分の行動にどう対応してくるかを予測したうえで、自分にとって有利となる行動を決定することである。ゲーム理論は,想定するプレイヤーの行動様式の違いによって,協力ゲームと非協力ゲームの2つに分かれて発展している。

④誤:デルファイ法とは、米国の大手シンク・タンクであるランド研究所が開発した意見集約の手法である。予想したいテーマに対して多数の専門家の意見を求め、得られた回答を統計的にまとめ、さらにその結果を添えて専門家たちに再検討させる手続きを複数回繰り返すことで意見を収斂させていく。記述はブレインライティングであるため,誤りである。

⑤誤:階層化分析とは,意思決定者が自分で抱える問題の構造がはっきりしないとき,その構造を問題(目的)-評価基準-代替案の3層の階層図で表現した上で,評価基準や代替案の一対比較から代替案の重要度を求める方法である。意思決定者が1人ではなく,複数の人がコンセンサスをつくりながら意思決定する場合にも適用が可能である。記述は親和図法(KJ法)である。

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